SF / ファンタジー

映画「メッセージ(Arrival)」感想・解説。映画に込められたメッセージとは?

原題;Arrival
監督;ドゥニ・ヴィルヌーヴ
上映時間;116分

あらすじ

世界各地に謎の宇宙船が現れる。

地球侵略?正体不明の物体に世界中が混沌と不安に包まれる。

言語学者のルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)はこの宇宙船に乗っている宇宙人とのコンタクトを軍から依頼される。

事態を飲み込めないながらも、軍の命令に従い宇宙船に乗り込むルイーズ。

そこで待ち構えていたのは、見たこともない姿をした宇宙人であった。

https://www.kishimamovie.com/entry/2017/11/30/000328

言葉が通じない中、宇宙人が見せる表意文字の解読に乗り出すルイーズだが…..。

キャスト

ルイーズ・バンクス エイミー・アダムス
イアン・ドネリ ジェレミー・レナー
ウェバー大佐 フォレスト・ウィテカー
ハルペーン捜査官 マイケル・スタールバーグ
マークス大尉 マーク・オブライエン
シャン上将 ツィ・マー

宇宙人に言語を教える<解説・ネタバレ有り>

参照;https://www.moviefone.com/2016/11/09/arrival-amy-adams-interview/

What is your purpose on earth? “地球に来た目的は?”

貴方は英語出来ますか?

視覚言語で我々はこれが何を意味しているのかが分かります。

しかし、相手は宇宙人!

意思疎通をどのようにはかればいいのかが分かりません。

そこでルイーズは上の質問の意図を相手に分からせるために、単語一つ一つを分解して宇宙人相手に自分達の使用する言語を理解させようとします。

クエスチョン・マークの意味

youとyoursの違い etc….

彼らの目的は?

宇宙人が襲来して以来、何ヵ月もかけて彼らの表意文字の研究を行なってきたルイーズとイアン。

長い時間をかけてようやく彼ら(宇宙人)の言語の解読をし、地球に来た目的を訪ねます。

すると、彼らの答えは

「武器を授けに来た」

はて、意味が分かりません。

この答えを聞いた軍の上層部は「全面戦争になるのでは?」と錯乱し、大慌て。


膠着状態に痺れを切らした中国では、シャン上将が宇宙船に対して宣戦布告をすることを宣言します。

この報道により、情報の共有を図っていた諸外国間でも乱れが生じてしまいます。

宇宙船に一人で乗り込むルイーズ

参照;https://aliens.fandom.com/wiki/Heptapod

一種の混乱状態の最中、何かに導かれたかのように、一人単独で宇宙船に乗り込みます。

夢(幻覚)を見るルイーズ

映画内において特に重要な意味を持つ

宇宙人との交流を図る中で、次第に強くなっていく夢(幻覚)のシーン。

子どもを産んでいないはずのルーイズ、にも関わらず自分が子どもをあやしている場面や少女が自分のことをママと呼ぶシーンが映し出されます。

しかし、子どもは病気で亡くなってしまいます。

何が起きているのでしょうか?

ネタバレ

幻覚シーンはルイーズ自身にこれから起きる、未来を表している

勘のいい人はすぐに気が付くと思います。しかし、映画内で幾度となく見られるこの幻覚シーンのせいで、時系列がごっちゃになり、どういう状況なのか意識が散漫になってしまう方もいらっしゃるかと。(かく言う私もそう)

真相・エンディング

参照;youtube

ルイーズと宇宙人との対話の中で、以下の真実が明かされます。

  • 彼らは未来を透視でき、地球人が3000年後に自分達を救う
  • ルイーズも同じように未来を見ることができる(上記)
  • 3000年後に宇宙人は地球人に助けられる→人類を助けるために来た(何らかの理由で人類が危機に瀕している・作中ではっきりとは明されていない)

補足

明らかにされていないとは書きましたが、その後のシーンで宇宙人が伝えた「武器」というメッセージが「言語」であることが明示されます。

そして緊迫状態にあった各国間の結び付きをルイーズが未来を透視して得た情報で解決します。

その際に用いられたのが、劇中で一番危なっかしい存在だった中国のシャン上将に対話し、説得するというもの。

この出来事の後、各国が情報開示し再び強力姿勢を見せますが、宇宙船がここで何事も無かったかのように消えていきます。

要はどういうことなのかというと、

宇宙船が現れる→人々が対立

人々が強力しようと歩み寄る→宇宙船が消える

宇宙人側の立場からすると、俺たちがピンチの時に(3000年後)助けてくれるはずの地球人がこのままだとお互いに争って(戦争)自滅しちゃう。→俺たちも死んじゃう。→俺たちが地球に行って、遠回しにこの問題を顕著にして解決させよう。→そうすることで、地球人は、これから先何かあっても対話を重んじるだろう(戦争したりして自滅しない)

この映画の肝である『言語』=『武器』である

というメッセージが映画内で重要視される理由が以上より立証できます。

しかしながら、私も他のブロガーさんのレビュー一切見てませんし、小説も未読なので、あくまでも一つの解釈としてとどめてください。

映画内において主役となるルイーズが言語学者であり、宇宙人と言語を用いて対話を図ろうとする映画の主題を考えると、上の説で間違いないかと。

サウンドトラック

今作、終始映画のトーンが暗めに設定されています。

その中でも、時節流れるアンビエントなbgmが私の耳から離れなかったのでご紹介します。

このNOISEっぽさに合わさるサイレンのような反響和音。

映画そのものの印象を決定づけています。

こちらはエンドロールで一発目に流れる曲。

この曲なんかは特に凄いと感じます。

SF=神秘的という構造をよく捉えています。

人の声を機械的に取り入れていますが、この曲を聴いて真っ先に

これ観たときに近い感覚を感じました。

それから、ゲームの「SIREN」の屍人の世界にも似ている(浮遊間とか)

え、、全然違う?(分かる人には分かるはず)

感想・まとめ

社会的なメッセージ性の強い作品だと感じましたが、捻った描写展開で無理やり押し切った、パワープレイの印象はぬぐえません。

話の顛末が見え難い

もう少し、分かりやすく・説得力のあるひと押しがあればかなりの傑作でした。

しかしながら、後半のルイーズが単独で宇宙船に乗り込み、宇宙人と対話する場面。

ここが凄かった!!

一瞬にして映像のビジュアルがそれまでと変化します。時の流れがゆったりとした別世界になったよう。そして、その映像の神秘感と相反するような不安定なbgmの組み合わせが最高でした。

主演のエイミー・アダムスが息苦しそうにひとつひとつの言葉を発することで、切迫感も合わさって今までに味わったことが無いスピリチュアルな体験でした。

ABOUT ME
masaki
病弱な新社会人が映画のレビューをします。各種ライフスタイル記事も併せてどうぞ。