ヒューマンドラマ

映画「La La Land (ラ・ラ・ランド)」ネタバレあり・感想。blu-ray買っても間違いなしの傑作!評判に嘘偽りなしの名作。

上映時間 ; 128分
監督;デミアン・チャゼル

あらすじ

カフェ店員として働きつつ女優になる事を夢見るミア(エマ・ストーン)と、歴史ある店が売れないジャズを諦める現状を嘆き、古き良きジャズを愛でる自分の店を開く夢を持つジャズピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)のサクセスストーリー。

渋滞中の高速にてセリフの練習をするミアは、後続車のセブにクラクションを鳴らされ煽られる。

最初の出会いこそ最悪なものの、2人は互いに惹かれ合い、お互いの夢を語り合うようになる…..

キャスト

セバスチャン(セブ)・ワイルダー ライアン・ゴズリング
ミア・ドーラン エマ・ストーン
ビル(セブが働くレストランのオーナー) J・K・シモンズ
キース(セブの旧友) ジョン・レジェンド

音楽

あなたの好きな音楽は?

お世辞にも、エマ・ストーンもライアン・ゴズリングも歌は上手いと言えませんが、そこがまた人間味を感じていいところ。

あまりに完璧すぎるとそれが逆に近寄り難い雰囲気になり、キャラクターに感情移入できなくなることでしょう。

最後に貼ってある「City of Stars」という曲は正にこの事を具現化した楽曲と言えるでしょう。

劇中で何度も使われるこの曲、哀愁感がありいいですねぇ。

影響元

皆さんもご存知

参照;https://slate.com/culture/2016/12/la-la-lands-many-references-to-classic-movies-from-singin-in-the-rain-to-the-red-balloon-to-funny-face.html

雨に唄えば』のこんなオマージュがあります。

他にもこの映画は『踊るニュウ・ヨーク』、『バンド・ワゴン』、60sのフレンチ・ミュージカルの代表作ともなるジャック・ドゥミの『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』からも影響を受けており、要所要所でそのエッセンスが散りばめられています。

西部劇あるあるのように、元ネタ知ってた方が10倍くらいは違って見えますので上記した作品、お時間があれば併せて観ておくことをオススメします。

感想

ケチつけようと思って粗探ししながら2周目、3周目観ましたけど、良い点があまりにも多すぎてこの評価に至りました。

評価が高い理由

前半に映画の一つの特徴ともなる色彩豊かな映像美を惜しげも無く披露。

ミュージカルシーンも今風でありながら、その映像美によりすごく幻想的で見応えがある。

中盤以降、ミアとセブそれぞれの心情を丁寧に掘り下げながら、”夢を諦めること””夢を追うこと”の2点を両者それぞれの視点からバランス良く表現。

クライマックスで視聴者の期待を裏切りながらも、なぜか許してしまえるような憎らしい演出で最後まで目が離せない。

非常に内容の濃い映画

監督の前作「セッション(whiplash)」と比べると格段に脚本のレベルが上がっているのが感じられます。

あれも映画としては優れた作品ですけど、良くも悪くも最後のインパクト勝ちな部分は否めませんでした。

しかし、今作「ラ・ラ・ランド」ではストーリーの構成そのもののバランスが良く、娯楽度が非常に高い内容になっています。

ミュージカルの演出部分。そして、ストーリーの肉博ともなる主役2人の立ち位置がしっかり表現されている部分。この2つが丁度半々くらいに分かれていて、偏りが少ないので全体としての見応えにつながっているかと思います。

ミュージカル映画だけど、ミュージカルだけを前面に推してるわけではない。しっかりとしたヒューマンドラマが存在するからこそ、この映画は輝いて目に映る。

観る際の注意

「セッション」の時ほどではないですが、相変わらず監督のジャズ好きが映画に大きな影響をもたらしています。

“ジャズという音楽ジャンルの存続がかかっている”

こういった内容のセリフやシーンがまぁまぁの頻度であるため、またもや説教臭く、クドイと感じる方がいらっしゃるかもしれません。

予め、ご注意を。

見どころ・解説

やっぱり、最初はこのシーン

ネタが分かる人にはたまらないシーンですね。

“Take On Me”歌ってるとこにリクエストで”I Ran”をぶち込んだ挙句、短いながらもエマのリップシンクです。

ヴォーカルの人もモブキャラなのにキレッキレで最高です。

思わず笑ってしまいました。

そして映画館でのこのシーン

参照;https://ameblo.jp/machinaka-blog/entry-12264777461.html

普通、こんなことしたら「邪魔だ!」って野次が飛ぶはずですけど、2人の視線が暗い場内で合うのが素敵です。古典的なオマージュも含んでいますね。この一連の映画館のシーン、セリフがほとんどありません。

エマ・ストーンの我を忘れたような表情とそれに呼応するライアン・ゴズリングの優しい頰笑みがめっちゃ良い。映画を観る私も、思わず息を飲んで見守ってしまいました。


加えて、バックで流れるクラシカルな音楽が他の客を感じさせず、2人だけの時間を演出するのを助けてましたね。時間が止まる、といった感じでしょうか。

ジョン・レジェンドが登場し、ジャズとEDMを合わせた奇妙なR&B音楽を披露しつつ、ミアとセブが互いにすれ違い始める季節です。

まぁ、これについては好みがはっきり分かれそうですね。

私はここが一番退屈に感じました。

曲としてのクオリティはしっかりしたものありますが、やっぱりコレジャナイ感を感じます。

参照;https://www.seeing-stars.com/Locations/LaLaLand/39-MiasTheatre-interior.shtml

ミアが一人芝居に挑戦するも散々な結果に終わり、自分に女優は向いていないと打ちひしがれる場面。

ここで私はもらい泣きしました。

初見時は何とも思わなかったのに…..

こうして記事を書くために、細かい部分まで観察しながら観ると印象が変わります。

私は特にミア(エマ・ストーン)に感情移入することが多かったです。

誰しも挫折経験はあると思いますが、あの切羽詰まって余裕がない感じ、見事でしたね。

セブ(ライアン・ゴズリング)を手で押すあたりで、半泣き笑いしてるのがポイント高い。

自分の出来なさに思わず笑っちゃいながらも、本当のところ凄く悔しいって感じてるのが観ててヒシヒシと伝わってきます。

その後、セブがミアを鼓舞するこのシーンも良かった。

てっきり2人の関係があそこで一旦終わりを迎えるもんだと思っていました。

ライアン・ゴズリングの最大の特徴である“内なる熱さ”が滲み出ています。

叫んだ後、顔が映らないですが、セリフの一つ一つの力強さに注目して欲しい、短い応答ですが、ミアが自分に才能がないと発言することを即座に否定します。

エンディングはくぅ〜ーーってなる

ここは賛否分かれますよね。

私は肯定的に受け取りましたよ。

一応救いある演出だったので、あれが無かったら「このヤロウ」って絶対思いましたけど。

総括

後、この映画、やっぱりいいですねぇ。

前述したように、お金かけて勢い任せのミュージカルのシーンで押し切るだけでなく、ストーリーそのものがしっかりしてる。なので、観ていて凄く充実感を味わえます。

2人して女優とジャズピアニストという違った道を歩んでいるのに、同じタイミングで壁にぶつかり、それを2人の「友情・愛情」で乗り越え「夢を実現させる」のは王道中の展開ながらも感動します。

結果的に2人とも別の人生を歩む形にはなりますが、これって別に不思議な事ではないんですよね。

私たちも、普段いろんな方と仕事などで交流しますけど、そこから関係が発展する事は稀ですし、いかにお互いの友情が人生に良い影響をもたらすのかって、生きていく上では凄く重要な要素だと感じます。

この映画は正にその成功例として途中のすれ違いや挫折も含め、物語の破綻した部分が無いリアルさがありました。

その完璧にリアルさがあるストーリーに、ファンタジーっぽさのあるミュージカルが絡む事で、ロマンや共感を感じることができるんですよねぇ。

ホント、アワード総取りの評判に偽りのない作品だと思います。

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masaki
病弱な新社会人が映画のレビューをしたり、ディズニー愛を語るブログ。