ヒューマンドラマ

映画「エターナル・サンシャイン」あらすじ・ネタバレあり。

上映時間;107分
監督;ミシェル・ゴンドリー

あらすじ

ひどい別れ方をした男女のお話。元彼女のクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)は過去の思い出を消し去るために記憶除去手術を受ける。それを知ったジョエル(ジム・キャリー)は思い悩んだ末、クレメンタインと同じ記憶除去手術を受け過去を消し去ろうとするが…..。

予告編

この予告編は嫌い。pop過ぎる。

キャスト

ジョエル ジム・キャリー
クレメンタイン ケイト・ウィンスレット
パトリック イライジャ・ウッド
メアリー キルスティン・ダンスト
スタン マーク・ラファロ
ハワード・ミュージワック博士 トム・ウィルキンソン
ホリス(ハワード博士の妻) Deirdre O’Connell(ディードル・オコンネル)

感想・解説

私の評価

これは大好きな映画。脚本の手法も良く練られていて、無駄が無いですね。

私はあまりに好きすぎて、家で3夜連続上映会をしたほどです。映画見始めるようになってからまだ日は短いながらも、かれこれ7回くらいは観てます。

ジム・キャリーは「トュルーマン・ショー」や「イエスマン」でお馴染みのコメディアンだけど、今作では至ってシリアスな物語、役所です。何だか覇気がなく、気も弱そうな哀愁感のある役です。

一方、ケイトの方は積極的且つ自己開示もどんどんしていくフットワークの軽いキャラです。

解説(ネタバレ含みます)

物語り序盤で主役2人が出会う場面ですが、実はこれが記憶除去後で2度目の再開という練った脚本。

そのため、時系列で言えば、オープニングクレジットが流れ始めるまでの最初の20分弱は物語りの終わりあたりになります。

(物語りは全体を5つに区分できます。各パート区分と時系列は以下の通り。)

オープニングクレジットが流れるまで(ジョエルが車で泣いてるシーンまで)
ジョエルが寝るまで
22分〜32分(記憶を消すことを決意)
(パトリックとスタンがジョエルの部屋で作業する)〜記憶除去終了まで
〜ラスト

Ⅲ→Ⅱ→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ の順番です。

見どころ

その1 ファンタジーな世界観

参照;https://www.sfgate.com/movies/article/Rekindling-a-love-so-bad-it-was-worth-wiping-from-2807029.php

記憶を消去するというちょっと近未来的な設定。

ジョエルがクレメンタインの記憶を消そうとしますが、やっぱり忘れたくないという思いから記憶除去の作業中に頭の中であの手この手でもがきます。

この過程が映画の一番のメインになりますが、頭の中の出来事なので上の画像のような非現実的なシーンが盛りだくさん。このファンタジーな世界観があることで、普通の恋愛ものではあり得ないような描き方で2人の愛の強さを知る事となります。

その2 対照的な2人

恋愛ものにありがちな設定と言えばそうですが、上記の世界観と合わさって2人のキャラが引き立って見えます。

参照;https://nofilmschool.com/2018/01/watch-these-deleted-scenes-will-change-way-you-think-about-eternal-sunshine

ジム・キャリーはこれまでのキャリアの中でも特に目を見張るような演技。

内向的な役所をしっかりと表現し、揺れ動くクレメンタインへの思いを、時にその演じているキャラの中でも大胆さを持って演じきっています。

最初はホントに大人しそうな人物なのに、クレメンタインの記憶が消えていく過程で、だんだんと焦りを感じて言動が大きくなっていきます。ここがホントに切迫感があって、私も観ていてハラハラしました。

対するケイト・ウィンスレットは思いつきですぐ行動するような女性像を完璧に捉えながら、要所要所で自分の本音を吐露する繊細さ・か細さを完璧に演じています。ほんとにトップ女優なだけあって、ケチの付けようが無い演技です。

おまけに得意の鼻グジュグジュの泣き芸まで披露するもんですから、キャラ的に好き嫌い別れそうな役でも妙に親近感が湧いてしまう。あれは反則。

その3 脇役が強い

これまた、主役2人以外もなかなかの布陣です。

マーク・ラファロの裸芸は置いといて、まずはこの人!

参照;https://www.imdb.com/title/tt0338013/mediaviewer/rm1260031744

ロード・オブ・ザ・リングでお馴染みイライジャ・ウッド。

今作品では記憶を消したクレメンタインを自分のものにし、ジョエルの真似をして彼女の心を自分に惹きつけようとするゲス役を演じてます。

クレメンタインを最初こそモノにしますが、次第に自分から心が離れていく様に慌てふためく演技が印象的でした。

妙に憎たらしい奴という印象を与えながらも、本人からは小物感が漂っていて、おとなしいジョエルでもコイツには負けないだろというインプレッションを持てたのが良かったです。。

弟
顔的にあんまり好きじゃないけれど、流石に演技上手いなぁと感じました。お見事。

そして今作で最も私の心を揺り動かした人がこちら

参照;https://www.broadwayworld.com/off-off-broadway/article/Obie-Drama-Desk-Winner-Deirdre-OConnell-To-Star-In-TERMINUS-At-Next-Door-20180105

ハワード博士の奥さんを演じたディードル・オコンネル

この映画のレビューで彼女について触れるのこのブログの私だけじゃない?というくらいチョイ役。ほんと出番は一瞬だけです。(日本語wikiのキャスト欄にも載ってないくらいの扱いです)なので私はキャスト欄にしっかり載せときました。

この人の演技がほんとに上手かった。もう感動すら覚えました。出番が一瞬なもんだから余計に他と比べようがなくて脳裏に焼き付きましたね。

彼女、ハワード博士とクリニックの受付嬢メアリー(キルスティン・ダンスト)の不倫現場に鉢合わせ、両者に対するやり場のない想いを一言二言吐き捨てるように述べ去って行きます。

これが何とも悲哀の漂う表情で、少し目元の窶れた感じや被害者感あるんですけど瞳から感じる心優しそうな印象がこのシーンにおいて余計に同情心を誘う要因になってました。

ちょっと補足

「エターナル・サンシャイン」という映画そのものが、“記憶を消すこと”を大きなテーマとし、ニーチェの有名な格言“忘却はより良き前進を生む”が映画内で何度も登場する。

しかし、物語りでは記憶を消しても一度繋がり合った心まで消すことが出来ないため、登場人物たちは別な形で再び両者の繋がりを持つ事となる。

ここで、記憶を消した者たちは自分たちの行いを反省し、そこから学びとることで人生を再出発しようとする。

言わば、ニーチェの格言には2つの意味合いがあって、

1つは記憶を消すという手段そのもの。

もう一つは、記憶を消して、それでも消しきれないモノがあるという事実から反省し、お互いを許し合うこと。そこから1つ目の記憶を消すという手段をとった事を綺麗さっぱり忘れ去ることで。良い意味でお互いの関係が前進する事である

この点を視聴者側に伝える点において、博士の奥さん役を演じたディードル・オコンネルが果たした役割はすごく大きいモノだったと感じます。

彼女の映画内での犠牲が、物語りにおける記憶を消した人たちへの警句となって映画のテーマを深める要因になっています。

まとめ

なかなか奥深いテーマを特徴的な手法で撮っているため、初見時でどれだけ物語りに引きこまれるかが後の評価に大きく繋がっていくかと。

純愛でありながら、2人の衝突が非現実世界と現実世界で繰り広げられています。この衝突や記憶を消すという手段を通して真の友情が芽生える所がとても素敵です。

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masaki
病弱な新社会人が映画のレビューをします。各種ライフスタイル記事も併せてどうぞ。